遺品整理のタイミング・やり方・業者の選び方と費用について

遺品整理とは、故人の所有物や使用していた物を処分することです。

少子・高齢化に伴い、よく耳にするようになった遺品整理ですが、実際にやったことはないという人も多いのではないでしょうか。

この記事では、遺品整理におけるタイミング・やり方・業者の選び方と費用について解説します。

遺品整理で片付けなければならないものとは?

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「遺品」とは故人が使用していた物やすべての所有していた物のことをいいます。

遺品には、以下のようなものがあります。このうち財産価値がある貴重品は「遺産」として相続の対象となります。

  • 貴重品
    現金・通帳・キャッシュカード・保険証券・株券・不動産証券
  • 思い出の品
    写真や手紙・個人の愛用品(眼鏡・財布・指輪などのアクセサリー)
  • 衣料品
    衣服や布団・タオルなど
  • 家具や家電製品
    タンスや本棚、カラーボックスや冷蔵庫・洗濯機などの生活家電
  • 食料品
    冷蔵庫内の生鮮食品や冷凍食品・調味料など

デジタル遺品

一昔前にはありえなかった遺品の種類として、このデジタル遺品があります。
デジタル遺品とは、パソコンや携帯電話、スマートフォンに保存された写真やメールなどのデ―タのことをいいます。

また、ネットバンキングの預金や、ネット証券で取り扱っている株券なども、「デジタル遺品・デジタル資産」に含まれます。そしてこれらも金融財産としての性質を持つため、当然相続の対象となります。

また、オンラインサロンなどの有料サービスに加入している場合もあります。
このようなことを確認するためには、故人のパソコンにログインしなければなりません。そして、ログインするためには故人が登録したIDやパスワードが必要となります。

IDやパスワードはセキュリティの関係上、本人しかわからないようになっています。これらを記載したエンディングノートなどが見つかればいいのですが、ない場合は自分たちでなんとかしようと思わず、速やかに専門家に相談しましょう。

遺品整理のタイミングと注意点

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遺品整理のタイミングに明確な決まりはありません。

ご家族が「遺品整理を行いたい」と考えた時が、遺品整理をはじめる時期です。

しかし、その時期は千差万別です。

故人が長期療養中だった場合にはある程度覚悟はできている人も多いかと思われますが、突然の事故による急死の場合には悲しみは大きく、その死を受け入れるには長い時間を要するでしょう。そのような状態では遺品整理まで手が回らない、と感じるケースも多いと思われます。遺品整理は故人の死と向き合い、区切りをつける作業だからです。

故人が亡くなってから数年後に、やっと遺品整理を始めた方も珍しくありませんので、ご自身の故人に対する気持ちが落ち着いた時に遺品整理を始めましょう。

「物品としての遺品整理のタイミング」について解説してきたところで、ここからは、故人にとっての一番大きな「遺品」である住居の整理のタイミングについてもみていきましょう。

一般的には四十九日や一周忌を区切りとして遺品整理を行うご家族が多く見受けられます。
故人の住まいが持ち家であれば、急を要する事情がない限り、遺品整理に期限はありません。よって、故人に対する気持ちの整理がついてから遺品整理を行うことができます。

ただし、賃貸の場合は、事情は変わります。

故人の住まいが賃貸の場合、何の手続きも取らなければ、引き続き家賃が発生します。
その家賃は相続人が支払うことになります。これを防止するには、退去の手続きが必要です。

退去の手続きを取るためには、故人の住まいを入居前の状態に戻さなければならず、遺品整理が必要となります。そのため多くのご家族が、亡くなった月の末日か翌月までに遺品整理を行い、契約期間を終了しています。

仏教では一部の宗派を除き、「死後四十九日の間は、故人の魂がこの世をさまよっている」としています。そのため、この間は、故人の魂のためにも法要に専念し、四十九日明けに遺品整理を行えるように賃貸契約を延長する方もいます。

遺品整理を行う注意点

画像引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/23158399

遺品整理は絶対に一人で行わないようにしましょう。
他の親族の了解を得ずに遺品整理を勝手に行うとトラブルの元になります。
故人と生前に形見分けの約束をしていた親類もいるからです。

相続人が複数の場合、そのうちの誰かが勝手に遺品整理を行うとトラブルの元になります。
金銭的価値のある遺品が出てきた時は、相続人全員で誰が相続するか話し合う必要があります。
遺品整理は遺産相続後に相続人の許可を得たうえで行いましょう。

ほかの家族とは何度も話し合う

遺品整理について親族から一任の了解をとっていたのにも関わらず、後日処分した遺品について文句を言われたなどの話もよく聞きます。
口約束が多い形見分けですから、そのトラブルを回避するために、遺品整理中でも話し合いを持ち、あいまいな点ははっきりさせましょう。

なお、口約束はトラブルが発生しやすいため、近親者同士ではありますが、終活においては事前に書面などで残しておくことをお勧めします。

貴重品など金銭に関わる物の処分には必要な手続きがあるので、その処分については自治体や、金融機関に問い合わせましょう。
代表的なものとして

  • 現金
  • 通帳
  • キャシュカード
  • クレジットカード
  • 保険証
  • マイナンバーカード
  • 印鑑
  • 保険証券

があります。

高価な物が見つかった場合

骨董品や美術品や宝石など高価なものが遺品として見つかった場合、その市場価値が30万を超えると遺産とみなされるため、勝手に処分せずに専門家の判断を仰ぎましょう。
市場価値の高いものはすべて相続の対象となり、相続人同士で分け合う必要が出てきます。

明らかに不用品・消耗品(冷蔵庫の中の食品など)とわかるもの以外は、勝手に遺品を処分するのは厳禁です。

大きな家電や家具のなかには、自治体の粗大ごみの日に回収してもらえるものがあります。
自治体によって回収してもらえるものが異なるので、ホームページや電話などで確認しましょう。
また、家電は発売から5年以内であればリサイクル業者に買い取ってもらえますので、問い合わせてみるとよいでしょう。

大型家電は運搬が大変ですので、自宅まで出張買取してくれる業者に依頼すれば、その場で査定してくれるので便利です。

ただし、洗濯機・衣類乾燥機やエアコン・テレビは家電リサイクル法に従って処分しなければなりません。
家電を購入した店舗に回収を依頼する必要があり、リサイクル料金もかかります。

家電を購入した店舗がわからない場合には自治体に問い合わせのうえ、その指示に従った方法で処分してください。

出典:経済産業省 「家電リサイクル法 Q&A(METI/経済産業省)

写真や故人の直筆の手紙は故人の大切な思い出と思われるため、処分するのがためらわれる方も多いものです。
そういった場合は、神社仏閣で、お炊き上げの供養をしてもらうことをお勧めします。
お炊き上げをすることによって、気持ちに区切りがつき、罪悪感なく処分することができるからです。

遺品整理のやり方

画像引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/22281473#goog_rewarded

遺品整理のやり方にはどういったものがあるでしょうか?

・遺族で進める
・業者に依頼する

遺品整理のやり方には2つの方法があります。

ここでは、両者のメリット・デメリットについて解説します。

遺族で進める

画像引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/23242156

遺品を他人に触られたくない場合には、この方法をお勧めします。

メリット
  • 経済的な負担がかからない
  • 自分たちのペースで進められる
  • 形見分けについて何度も確認をとることができる

一つずつ解説していきます。

経済的な負担がかからない

業者に遺品整理を依頼すると通常でも20~30万はかかります。しかし、自分たちで遺品整理を行うと、費用は交通費やごみ袋などの整理用品・家電に発生するリサイクル料金などですみます。親族のみで行う遺品整理は非常にリーズナブルといえます。

自分たちのペースで進められる

自分たちでやると、大変手間はかかりますが、納得のいくまで好きなだけ時間をかけることができます。
また、この作業により故人に対する気持ちの整理をつけることができます。

形見分けについて何度も確認をとることができる

親族の間でトラブルが起きやすいものとして形見分けがあります。故人が生前に、誰と形見分けの約束をしていたのかわからないからです。
親族が集まって遺品整理をすれば、この問題もその場で話し合うことができるのでトラブルを回避することができます。

デメリット
  • 労力と時間がかかる
  • 肉体的、精神的負担が大きい

労力と時間がかかる

遺品整理という作業が初めてという人も多いでしょう。そうなると、慣れない作業のため、当然のことながら時間がかかります。また、タンスなど大型家具が多いと、その運び出しや処分に手間取ることになり、非常に疲れます。

肉体的、精神的負担が大きい

遺品の量が多いと、不用品の仕分けだけでも体力を消耗します。
また、自治体のごみの分別が複雑な場合、さらにストレスがかかります。家電によっては廃棄処分する方法が異なるため、注意する必要があります。その運搬のために軽トラックの手配も考えたりしなければなりません。
心身ともに疲れるこういった煩わしさは、遺品整理が終わるまで続きます。遺族が高齢者ばかりであったり、男手が少なかったりすると負担はさらに重くなることになります。

業者に依頼する

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「遺族が遠方に住んでいる」「時間や日時が合わない」「遺族が高齢者ばかりで体力的に難しい」などの場合には業者に依頼することをお勧めします。

メリット
  • 効率よく遺品整理を進めることができる
  • 整理にかかる精神的・肉体的負担から解放される

効率よく遺品整理を進めることができる

遺品整理の経験豊富な業者による作業は、そつがなく、迅速です。第三者が行うため、感情にひきずられて作業が中断するということもありませんので、遺品整理がスピーディーに進みます。

整理にかかる精神的・肉体的負担から解放される

業者の経験や専門知識に頼ることで、「自分たちで遺品整理を一からやる時に生じる複雑なごみの分別に対応するのが難しい」「遺品があまりにも多すぎて処理するのがつらい」といったことに頭を悩ませる必要がなくなります。

デメリット
  • とにかく金銭的負担が大きい
  • 故人に対する気持ちの整理がつくのに時間がかかる可能性がある

とにかく金銭的負担が大きい

業者に依頼すると、経済的には大変です。業者に依頼する内容にもよりますが、20~30万は下らないのが普通です。なかには100万を超えることもあり、業者の選定には注意が必要です。

故人に対する気持ちの整理がつくのに時間がかかる可能性がある

業者に遺品整理を行ってもらうと、肉体的には非常に楽です。

しかし、その負担のかかる遺品の仕分けは、実は故人に対する気持ちを整理する通過儀礼の役割を果たしています。遺品整理をしながら、同時に「故人への気持ち」に片をつける、心の中の「片付け」をしているからです。

業者に遺品整理を委ねると、この行為がなくなるので、故人に対する気持ちの整理に時間がかかる可能性があります。

プロの業者を選ぶ時のポイントは?

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遺品整理業は届け出が不要で、いろいろな業種(運送業・リサイクル業・便利屋など)が参入しています。
遺品整理業をネットで検索すると、数多くの遺品業者のホームページが目に入ります。

どの業者も仕事を獲得するために、懇切丁寧を謳っていますが、その言葉をうのみにしてすぐに依頼するのは悪質な業者にひっかかりやすくなります。では、そうならないためにはどうすればいいのでしょうか。

優良なプロの業者を選ぶつのポイントについて解説します。

資格をみる

一般廃棄物収集運搬許可証・古物商許可証を所持している業者かどうか

遺品整理業は家庭から多くの不用品を引き取ります。しかし、この処理を行うためには一般廃棄物収集運搬許可証が必要です。
また、遺品の中には高価な美術品が含まれている場合があります。業者がそのような遺品の買取を行う際に古物商許可証の免許を取得していなければなりません。

遺品整理の需要の急増に伴い、この2つの免許を持たずに営業している業者もいます。
そういった悪質な業者にひっかからないために、この2つの免許を取得しているのか必ずチェックしましょう。

遺品整理士の資格の有無を確認する

さらに、悪質な業者を避けるうえで有効なのが遺品整理士の資格の有無を確認することです。
遺品整理士は一般社団法人遺品整理士認定協会が認定する資格です。

遺品整理業が注目を浴びるにしたがって、不法投棄・法外な料金の請求、悪質な不用品回収や買取を行う業者など、遺品整理に関するトラブルの増加が報告されています。
同協会は社会的な役割とモラルの低下を是正し、業界の健全育成をはかることを目的として設立されました。

業者が悪質な場合、資格をはく奪されるそうですので、同協会が認定する遺品整理士の資格を保有しているということは、「遺品整理を適切に対応する意思を有している」目安の一つとなります。すなわち、同協会から「信頼できる業者である」とお墨付きを得ていると言えるのではないでしょうか。

遺品整理士の資格は、遺品整理業を経営するうえで必須ではありませんが、この資格も遺品整理を依頼しても大丈夫な業者かどうか判断材料になると考えてもよいでしょう。

スタッフの対応や人柄を見る

遺族の気持ちを汲んでくれるスタッフかどうかは、問い合わせの電話の対応からでも判別できます。
不愛想な対応をするスタッフであれば、遺品を丁寧に扱ってくれるとは考えにくく、避けたほうが無難でしょう。

正確に見積もりをしてもらうためには、事前の下見が必要ですので、業者に自宅に来てもらってください。また、その時の業者の対応も十分注意し、信頼のおける業者かどうかしっかり見極めましょう。

遺品は遺族にとっては、故人の思い出がつまった大切なものです。
遺品に対する思いを伝え、真剣に話を聞いてくれる業者かどうか、注意が必要です。
話の内容から、誠意が感じられないのであればその業者は除外しましょう。

また、遺品整理の作業は、終了するまで近隣住民の方に迷惑をかけることもあります。
そういったことにも配慮する業者であるかどうかをトラブル防止のためにも注意が必要です。

明確な料金表示があるかどうかをみる

業者が見積書を出してきたら、その見積書に盛り込まれた内容の詳細について、しっかり聞くことをお勧めします。遺品の量が多いと、たとえ部屋は小さくても遺品整理にかかる料金は高くなります。また、マンションの場合、エレベーターのあるなしによってもその料金はかわります。

追加料金が発生するのはどういう場合か、納得するまで質問して、明らかにしましょう。
なお、見積もりは1社だけではなく、2~3社から取り、比較検討することをお勧めします。

総務省の統計から知る遺品整理にかかる費用

総務省が令和2年3月に公表した「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書」によると、

実際の見積書 75 例に記載されていた金額の分布は、以下の通りです。
見積書にみる遺品整理サービスの金額

10 万円以下 7
10 万円超 20 万円以下 19
20 万円超 30 万円以下 23
30 万円超 40 万円以下 12
40万円超 50 万円以下 5
50 万円超 60 万円以下 3
60 万円超 100 万円以下 4
100 万円超 2

依頼者が希望するサービスの内容はさまざまです。よって、サービスの見積額も10万から100万と、その差額は実に大きなものとなっています。この表を見る限り、10 万円から40 万円の間の取引が多くなっています。

なお、国民生活センターレポートでは、「遺品整理サービスの契約金額(契約購入金額)」の平均は約 42 万円です。

両者の結果から、遺品整理は安く見積もっても20~30万の費用がかかることは普通であり、依頼する内容にもよっては、40万を超える場合も考えておく必要があります。

したがって、業者選びは慎重に行いたいものです。

出典:総務省行政評価局「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書

独立行政法人国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル

いつか来るその日のために……遺品整理の基本を知っておく

遺品整理は肉体的にも精神的にも負担が大きい作業です。遺品整理の負担を軽くしたい方は、今から実家の不用品を整理することをお勧めします。

子どもの目から見れば不用品にしか見えない物であっても、ご両親にとっては長い時間を過ごしてきた思い出の詰まった大切な物である可能性もあるかと思われます。子どもたちが独立して、夫婦二人だけの生活が長くなると、よりいっそうその思い出はご両親にとってかけがえのないものとなるでしょう。

それらの「もの」を通して、子どもたちと過ごした日々のことを思い出すため、不用品の整理にブレーキがかかっているのかもしれません。

また、このブレーキはご両親では外すことは難しいでしょう。こんな時こそ、子供であるあなたの声掛けがいっそう大事になってくると思われます。

また、心の底では、「家の整理はやりたいが、物を運んだりするのは体力的につらい」と思われているのではないでしょうか。

この年代の方は、足腰に何らかのトラブルを抱えていることが多いからです。よって、ご両親は、あなたが実家の整理をしてくれるのを喜んでくれるかもしれません。

また、ご両親と話しながらの物の整理は、自分とご両親との関係を見直す絶好の機会となります。さらに、ご両親がどの物を大切に思っているのか、処分してもいい物は何か、誰に何を形見分けに残したいのかなど、物に対する考えを聞き出すことができます。

したがって、ご両親の物に対する考えを知ることで、いずれ経験することになる遺品整理においても納得して物を処分することができるようになるでしょう。

ここまで、遺品整理のタイミング・やり方・業者の選び方と費用について解説しました。

ご両親の思いを反映した納得のいく遺品整理ができるといいですね。そのために、この記事が参考になれば幸いです。

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大量の遺品整理の経験あり。また、英語専門塾での講師業・電話営業・貿易事務などのいろんな業界での勤務実績を活かした記事を作成します。

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