そろそろ定年になる方や、退職を検討されている方が気になるものの一つ、退職金。
人生の中で最も多くの現金を手にする瞬間であるので、節税対策や有効な運用方法などを覚えておきましょう。
「まだ先の話だから」「対策をしても大した差はない」など思っている方がいると思います。
知らなくていい方は知らなくても人生で一番多くの現金を手にすることには変わりないので幸せに過ごせます。
ただ貰えるものは貰っておき、払わなくてもいいものは払わないほうがいいと思います。
今回は退職金について知っておいて損はない知識を紹介させていただきたいと思います。
Contents
退職金はいくらもらえるの?
まず、会社員として一番多くの現金を手にする退職金とは、すべての会社に存在するわけではありません。
退職金制度とは企業の義務ではなく長年会社に勤めてくれた感謝の気持ちが形になっている制度です。
会社ごとによって退職金制度が定められており、零細企業などでは退職金制度を導入していない会社もあります。
厚生労働省の調査によると退職金制度を導入している企業の割合は約75%であり、およそ4社の内1社は退職金制度を導入していないことになります。
更に上記の統計は従業員数30人以上の企業を対象に調査しているため、30人以下の企業を含めると退職金制度を導入している会社は少なくなります。
そのため、まずは自分の会社が退職金制度を導入しているかどうか確認しましょう。
就業規則の欄に退職金規定が乗っていれば退職金制度を導入している会社であり、社員負担がある会社では給与明細に「退職金掛金」や「企業年金掛金」等の欄があるので確認しましょう。
それでは退職金が貰える場合は自分がいくら貰えるのでしょうか?
退職金は会社が取り決めているため個人によって受取金額は異なります。
そのため、自分の退職金を知りたいのであれば会社の人事や総務などに確認を取ると教えてもらうことができます。
会社に退職金のことを聞きにくいとは思いますが、自分の将来のことなのでしっかり確認しましょう。
肝心の受取金額も会社ごとによって決められているので絶対に確認してください。
「退職金が貰えると思っていたのに想像の半分以下だった」なんてことがないようにしましょう。
基本的に退職金は会社からの感謝の気持ちですので、会社への貢献度が金額に反映されてきます。
多くの企業は勤務年数や役職によって決まりますが、ポイント制を導入している企業もありますので人事等に確認する際には退職金の決め方等も一緒に聞くことをおすすめします。
更に、退職理由も金額に大きな差が出てきます。
自己都合での退職、会社都合での退職や定年退職があります。
退職金は会社への貢献度によって支払われるので自己都合と会社都合では退職金に差が出てきます。
所属している会社や個人によって受取金額に差がありますが一般的な受取金額を紹介させていただきます。
定年退職時の退職金相場
大卒 | 約11,500,000円 |
高卒 | 約11,300,000円 |
大卒退職金相場
勤続年数 | 自己都合 | 会社都合 |
3年 | 290,000円 | 540,000円 |
5年 | 540,000円 | 910,000円 |
10年 | 1,530,000円 | 2,340,000円 |
15年 | 3,230,000円 | 4,450,000 |
20年 | 5,960,000円 | 7,180,000円 |
25年 | 18,530,000円 | 10,590,000円 |
30年 | 13,450,000円 | 14,840,000円 |
高卒退職金相場
勤続年数 | 自己都合 | 会社都合 |
3年 | 210,000円 | 630,000円 |
5年 | 420,000円 | 690,000円 |
10年 | 1,160,000円 | 1,740,000円 |
15年 | 2,340,000円 | 3,230,000円 |
20年 | 4,510,000円 | 5,540,000円 |
25年 | 7,110,000円 | 8,280,000円 |
30年 | 9,860,000円 | 11,160,000円 |
退職金相場は上記の様になっております。
会社からの感謝の気持ちが退職金になっているため自己都合よりも会社都合での退職の方が多く貰えます。
退職を考えている方は早期退職の募集で退職すると会社都合の退職になることが多いので会社内の情報を素早くキャッチしましょう。
退職金はいつもらえるのか?
退職金は退職する際に受け取れますが、受取方法は3通り存在します。
- 退職一時金
- 退職年金
- 上記2通りの組み合わせ
退職一時金のメリット
退職所得控除が適用されて所得税が大幅に優遇されます。
長い期間働いた方への控除なので大きな所得控除を受けることができます。
20年以上勤務している方から税金の計算方法が変わるので対象となる方は自分でどっちが得なのか、計算してみましょう。
退職金が多く貰えず、会社に不満を感じている方は20年の節目を待たずしてリスタートしたほうが後悔しないかもしれません。
退職一時金のデメリット
人生で一番多くの現金を手にする瞬間なので、気が大きくなってしまいリスクのある金融商品で損をする人が少なくありません。
退職金を受け取る際には資金計画をしっかりと立てた上で受け取り、後悔しない使い方を見つけましょう。
退職年金のメリット
年金受取では受取が終わるまでの期間が長い為、一時金よりも多くの金額を受け取れるかもしれません。
更に、一時金と違い一度に多くの現金を手にしないためリスクのある金融商品に大金を投資し損するようなことはありません。
自制心がない方や資金計画ができていない方は年金受取の選択がいいかもしれません。
退職金年金のデメリット
年金受取では受け取るまでの期間で運用し、受取金額が多くなるように見えるかもしれませんが、退職控除が一時金よりも少なくなります。
年金の受取金額が多くなると保険料なども高くなり、マイナスに働くことがあります。
一時金と年金の組み合わせ
2つの組み合わせで受け取れる企業が増えてきており、自分に合った受取方法を選択することができるので2つの組み合わせを選択できる場合は自分の組み合わせを見つけましょう。
退職金の運用は必要?
それでは退職金を受け取ったあとですが果たして退職金の運用は必要でしょうか。
答えは・・・絶対に必要です。
「人生100年時代」「2,000万問題」この2つの言葉は聞いたことがあると思います。
現在の日本は寿命は延びているのにお金が足りていない状況にあり、自分自身でお金の寿命を延ばさないと豊かな老後生活は待っていないんです。
その為にはお金がお金を生む「運用」が必要不可欠になります。
運用が必要だとしても「知識がない」「やり方が分からない」そんな方が多いと思います。
ですが、退職金の運用は豊かな老後生活を実現するためには間違いなく必要な知識ですので
「知識がない」「やり方が分からない」と言って学ばずに先延ばしにすると未来の自分と家族を苦しめることになります。
自分と家族を守るためにも運用を学びましょう。
おすすめの運用方法
退職金の運用は今後の生活を支える大切な元手なのでリスクの高い金融商品はなるべく避けましょう。
高いリスクを取り大きな損失を出してしまうと本末転倒になってしまうのでリスクをなるべく抑えた運用を心掛けましょう。
リスクを抑えた運用方法としてまず考えることは分散投資をすることです。
分散投資を心掛けることで1つの金融商品が大きな損失を出したとしても他の金融商品が利益を出していれば補うことが可能になるからです。
分散投資をしながらも、より高い利回りが期待できる商品が投資信託です。
投資信託は投資のプロが投資家から集めた資金を分散投資で運用し、利益が出ると還元する商品になっており少額から始められるため、投資初心者の方も気軽に始められる商品になります。
投資信託も様々な商品があるので勉強が必要ですが、プロの投資家が運用するので比較的リスクの少ない商品が多数あります。
更に投資信託の上位互換となる商品のヘッジファンドがあります。
最低出資金額が1,000万円と高額な商品ですが、高額なだけ運用側も本気で運用しているため年間利回り20%程度出すことがある商品になっております。
この商品は普段では手が出せないほどの高額な金融商品ですが、退職金を受け取った時には充分検討できる商品なのでおすすめさせていただきます。
まとめ
退職金は今までの勤務生活へのご褒美ですが今後の生活を豊かにするための大切な資金原資です。
長年頑張った自分に車や時計などを買うことはいいですが、今後の生活を考えた資金計画を崩すような買い物はやめましょう。
退職金は人生の中で最も重要なお金ですので、早めの資金計画を立てることで今後の生活を豊かにすることができます。
退職されたあと豊かな生活を送るために少しでも退職金やお金への知識が深まって下さればと思っております。
大池 良広
最新記事 by 大池 良広 (全て見る)
- 退職金にかかる税金やおすすめの運用方法を解説 - 2020年4月12日