今回足を運んだのは、三重県在住の築紫真美さんという笑顔の素敵な女性デザイナー。築紫さんは自宅でデザインの仕事にいそしむ二児のママだ。
もともとデザイン会社に勤務していたのだが、出産を機に退職。子供が1歳ごろにアロマの資格を取得して、在宅起業を行うも、なかなかうまくいかず、あることをきっかけに、自分の本来の才能である「デザイン」を生かした在宅起業に成功した。
ご自宅に訪れると、さすがデザイナーさんというべき素晴らしい内装で、アンティーク調の装飾や備品に息を飲んでしまった。とても居心地の良い空間で、1つの置物にもこだわりやセンスを感じる。むき出しになったアンティーク調のペンダントライトも非常に味があって、温かみを感じる。
そんなセンスのある築紫さんに、在宅起業に至った経緯を伺った。
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「寝れない、帰れない」というのが当たり前。そんな会社員時代
──築紫さんのこれまでの経歴を教えてください。
もともとデザインの学校に入っていて、卒業後デザイン事務所に入社しました。そこでは、上場企業さんのデザイン広告やテレビ局のドラマのデザイン広告、旅行代理店のパンフレット制作など、大きな企業様とのお取引が多かったです。
ものすごくハードな仕事で、「寝れない、帰れない」というのが当たり前。給料もそんなに良くはなく、毎日が残業続きで非常にハードな日々を送っていました。
その会社は数年で退職しました。業務もハードだったのですが、それ以上に、会社の売上のためだったら、煽ったり、消費者さんに良くない部分は隠したりする、そんなデザイン広告を作成することに疑問を感じたからです。
その後転職し、雑貨のデザイン会社に8年ほど勤務しました。この会社は、雑貨のデザインを私達で作成し、完成したら展示会やカタログなどで販売していました。1社目とは違い、「お客様にいかに喜んでもらえるか?」を考えていける場所だったので、非常に社会的な意義を感じながら、やりがいを持って働くことができました。
そして子供の出産を機に、その会社を退職。1年ほど育児に専念していたものの、子供が1歳の時に、在宅で何か仕事ができないかと模索していました。例えば、アロマの資格を取ってアロマの先生などもしました。しかし、ちょうどコロナが始まり、集客などに限界を感じました。なかなかうまくいかず、外でパートなども行うようになりました。
「あなたにもっとデザインをお願いしたい!」
──デザインで起業しようと思った転機を教えてください。
実は、ある会社さんとデザインの仕事を10年もの間、継続的にいただいていたのです。そのお客様から
「築紫さんにもっとデザイン制作を依頼したい。もっと本気でデザインに割ける時間をいただけませんか?」
と熱い要望をいただいたのです。
ここで初めて自分のデザインに需要があることに気づきました。そしてパートを辞めてデザイン一本で仕事をしていこうと決意しました。その後、固定のお客様も5社にまで増えました。毎月しっかりとお仕事をいただけて収入も安定しています。
その他、単発の案件などもこなし、今では、デザインを教える講師業も行っています。
──なぜ最初からデザインで起業しなかったんですか?
会社員時代、デザインの世界とは「寝れない、帰れない、給料が安い」という厳しい世界だと思っていました。この思い込みがあり、自分1人でデザインで独立はできないと思っていました。
しかし、お客様からの熱いご要望がきっかけで、デザイン一本で働くことになり、意外とうまく軌道に乗り始め、お客様にもたくさん紹介していただくことができました。今では特に営業活動をせず、紹介がメインでお仕事をいただいています。
──今はどのように働いていますか?
現在は特に会社から縛られているわけではないので、自分で時間管理をしながら9時から16時の間に自宅で働いています。その中には打ち合わせが入ったりとか、家事や買い物に行ったりとか、子供が熱を出したときに看病したりとかも入ってくるので、非常に時間に融通が利きます。
しかし案件が多い時は子供が寝た後に仕事をすることもあります。ですが、家族を一番に考えているので、子供がいる土日などは仕事をしないで、主人と子供たちと4人で楽しく家族の時間を過ごすように心がけています。
「私には何もない」は大きな勘違いだと気づいてほしい
──「私には何もない」と思っている方へアドバイスいただけますか?
実は私もその中の1人です。私には何もない、大きな取り柄などもないと思い込んでいました。デザインで食っていけるなんて全く思わずに、新しいアロマの資格を取得したりもしました。そういった回り道をしたからこそ、デザインに需要があると気づいたんです。
私には何もないと思っている人は、実はそう思い込んでいるだけ。自分が当たり前にできる事は他の人も簡単にできると思い込んでるんです。ですが、実際は違います。自分が当たり前にできる事は、実は自分の大きな強みなんです。そこをしっかりと見逃さないでほしいと思います。
──今後デザインを通してどのように活動をしていきたいですか?
自分のデザインが私のクライアントさんだけではなく、その先にいるクライアントさんのお客様にも喜んでほしいと思っています。私はその伝える手段のお手伝いをさせていただきたい。
私の周りにはたくさんの個人事業主の方がいます。そういった方々は、自分の売上だけではなく、周りの人を幸せにしたい、喜んで欲しいという熱い想いを持った方々が多いです。そのような方々の商品やサービスの橋渡しとして、私のデザインが世に生かされることを切に願っています。
築紫真美さんのポートフォリオ
多田たかひろ
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